WindFoiling

ウィンドサーフィンとフォイルに関するブログです。

号外 2020モデル試乗会 その4 ナッシュフォイル試乗

 2019/10/22 令和元年 即位の礼 逗子海岸 北風12M 

 

試乗開始

朝から大雨で逗子海岸に到着した時間が遅かったので、今年の試乗は二艇のみとなりました。雨で参加者が少ないので、15:00には撤収開始してバーべQを開始しようとしていましたが、お願いして16:00までちょっと乗らせて貰いました。

 

ナッシュのフォイル

最初に試乗したのは、ナッシュのフォイルとフォイルボードです。セイルはフォイル用の超軽量のLIFT5.7m2のセットです。

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(試乗したのは一番奥の先端が黄色いフォイルです。)

 

前回の試乗会では、全く風が無く殆ど全く浮きませんでしたが、今回は10か月間ニールプライドのフォイルで練習した後で、風も結構あるので違いが分かると思い楽しみにしていました。

ボードはHOVER123L(たぶん)でマスト長は70cmです。ちょっと組み合わせ的にはマストが短い気がします。ナッシュのフォイルは、翼断面が薄く、尾翼が波打っているタイプです。

LIFT 5.7の感想

ナッシュのフォイル用のセイルのLIFT5.7mはペラペラしたフォイル用の超軽量セイルです。持った感じはとても薄く、とても軽く感じられます。 

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(写真は春の試乗会のものです。)

今日は北風のなので、逗子海岸はオフショア(陸から海へ吹く風)で、浜の近くは風が回ってしまい安定しません。ナッシュの フォイル用セイルのLIFT5.7m2は普段のウィンドサーフィン用セイルとは全くの別物で、強風での走り出し時はバタバタして安定しません。風をはらむといきなりドカンと来て、走り出すと進行風に押されてペラペラに戻ってしまいます。風が安定しない中で、このセイルを使うのはちょっと難しい感じです。


このセイルのフィーリングですが、マストのダウンが全く引けていないダランダランのセイルを使っている感じです。なので、風をはらめば走りますが、風が抜けたとたんに急激にパワーを失います。手ごたえがなくなり、風の強弱がそのまま伝わってしまいます。

丁度良い風でフライトすると急激にセイルが軽くなり、セイルの存在を忘れてしまう感じで、風の強弱に合わせて、セイルがはらんだり、緩んだりパタパタする音だけがしている感じになります。

じゃあフリスタセイルのようにON/OFFがハッキリしているかと言うと、そうでもなく、かといってしっかり漕げるわけでもなく、進行風にも耐えてくれないので、ウィンドサーファーがフォイルに乗る時に最初に選ぶセイルではないと思います。

北であれ南であれ、湾になっていてどうしても風の強弱が出てしまう逗子湾の内側で、ウィンドサーファーがフォイルを始める時には、まず集中すべきはフォイルなので、このセイルを使うとセイルにも集中しなければいけなくなってしまいます。

このセイルは風が安定して吹いていれば、とても軽いセイルで、ある程度の風があればアンダーも強いし、そもそもフォイルはオーバーになればセイルを開いてしまえば良いので、フォイルを十分浮かせられるようになってから、楽にフォイルに乗るために買うセイルだと思いました。

 

ボードについて

セイルの特性が分かったところで、次はボードに集中してみます。このボードは全長が短く、結構浮きが速いです。ただしストラップがかなり外側についているので、浮かないうちに前のストラップに入れて風を待つのはちょっと難しいです。また、風が十分強いときは後ろストラップから足を入れるのですが、それは難しくありません。

このボードのボリューム感は丁度いい感じです。さすがに140L、160Lのフォイルボードは逗子湾や本栖湖で乗るには大きすぎると思いますが、ナッシュのこのサイズであれば浮いてしまえば軽くて良いボードです。ただ、このボードは意外とエッジが強いので、墜落するとそれなりのダメージ(つまり引っかかり)があります。

まあフォイルで浮いてしまえば、ボードの役割はウィンド程多くないので、フォイルを始めるためにこのフォイル専用のボードが必要かと言うと、そこまでではないかなと思います。

 

フォイル

セイルとボードの癖を掴んだところで、次は今回の試乗のメインであるナッシュのフォイルに集中して見ます。

普段使っているニールプライドのフォイル GLIDE WINDは低速からすぐに浮き上がろうとしますが、ナッシュのフォイルは、最初は”あれ浮かない”って感じでした。

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(写真は普段使っているニールプライドのフォイル GRIDE-WIND)

少しノーズを上げてやると、グイっと浮いて来て、戻すとその高度でピタリと止まる感じです。ナッシュのフォイルには安定したパワーをセイルから供給できれば、同じ高度でずっと飛び続けられるような水平安定性とターンの軽さがあります。
ナッシュのフォイルは、一言でいうと抵抗が少ないです。
ただ今回はマストが70cmと短いのでその影響も少しはあるかもしれません。

 

尾翼について

フォイルの主翼の形状はだいぶ落ち着いてきましたが、フォイルの尾翼の形状は、大きく分けると二つになります。

1.尾翼の翼端が下に向かって逆V字に下がっているタイプ

2.翼端が上に反っているタイプ

(昨年までは、小さいな垂直尾翼がついているタイプがありましたが、今年からはどのメーカからも殆どなくなっています。後でメーカの方に聞いたところ、この翼端を少し上か、下にしたことによって、垂直尾翼が無くても安定するようになったそうです。)

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(写真は昨年春の試乗会のナッシュのフォイルです。もうこのタイプはありません。)

 

今回試乗したナッシュのフォイルの尾翼は、翼端が上に反っているタイプで、レース用のフォイルは殆どがこのタイプです。普段乗っているのは下に下がっているタイプで、SUPフォイルは殆どこのタイプなので、二つの違いが気になります。

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(今年のナッシュのフォイルの尾翼は先端が上に反っています。)


真っすぐ走っている分には、どちらのタイプでも全く問題なく飛んで行けます。ただターンやアンヒールさせると特性の違いが感じられます。下に下がっている方は、傾けるとぐっと水を咬んで重くなる感じがしますが、上に反っているタイプは軽いままです。言い換えると、下に下がっている方が手ごたえ(足ごたえ)があり、上に反っているタイプは変化が少ない感じです。
ちょっと考えると当然と言えば当然なのですが、下に下がっている方がボードが同じ傾きならより深くに水に入ることになり、上に反っているタイプは押し込もうとしても、尾翼が浮こうとするようです。フォイルのジャイブではウィンドのように傾けないで回して行くのですが、ナッシュのフォイルならウィンドのように傾けてもスムーズに回って行くようです。

小さな尾翼ですが、どっちが良いのかは未だわかりません。尾翼はまだまだ進化しそうです。

 

ナッシュのフォイルセットまとめ

ナッシュのフォイルはさすがに完成された感じがします。一度浮いてしまえば、一定の高度で飛ぼうとするとても安定したフォイルでした。
ナッシュの純正セットだと、やはり70cmのマストをウィンドで使うには少し短い気がします。ボードとの関係もありますが、高々5cmなんですがすごい差があるように思います。特に上らせる時にボードを傾けるとフォイルなのに水面が近くて驚きました。
ボードもセイルも手持ちのがあればそれで十分そうです。まずはすべててを揃える必要はないかもしれません。
ナッシュのフォイルボードは、まだどっちつかずの感じがします。もう少しノーズ側のエッジを丸くして、反りを大きくした方が乗りやすそうです。ナッシュにはSUPやウィング、フォイルからウィンドにまで使えるオールマイティなボードを期待したいです。

  

つづく